2017年1月8日日曜日

第1回行政書士に勧めのダブルライセンスについて真剣に考えてみよう会議

 先日は【行政書士開業をして儲かるのか?儲からないのか?】について個人的な見解を言いました。


 そこで私は、失敗しやすい考え方として大きく2つのことを挙げました。
 一つは資格だけでは失敗する!営業力は必須であること。

 もう一つは司法書士とのダブルライセンスなんて安易に考えている時点で視野が狭すぎてダメ
です。


1 行政書士の営業
 「営業力が大事!」
と言っておきながら何ですが、私は一般企業経験はなく、性格的にも飛び込みで営業をするなんて絶対に出来ません。

 出来ないですし、私的にはデメリットの方が大きいので、しようとも思いません。

 もしかしたら貴方も同じかもしれません。
 そこで「じゃあネットを使った営業?」
と思いましたか?

 いいえ、全く違います。
 私には自身の経験や工夫から、営業経験が全くない人でも継続的に依頼をくれるような優良顧客獲得ができる営業方法があります。

 このように工夫が活きるのが行政書士の面白いところです。


 もちろん、営業が得意な人だと既存の行政書士から客を奪うことも出来ます。
 これも工夫による行政書士特有のメリットです。

 この営業の強みの一つとしてダブルライセンスを考える人も多い様です。



2 行政書士と司法書士の相性が悪い理由
 そもそも貴方は「ダブルライセンスの目的は何なのか?」を明確に持っていますか?

 ダブルライセンスは【主軸になる資格や技能を活かすために取得する】のではないですか?

 しかし、この部分が明確になっておらず安易に「司法書士もあれば業務範囲が広がる」と勘違いする場合は司法書士と行政書士とは相性が悪いです。


<行政書士と司法書士>
 それはそれぞれの特徴を見るとわかります。

[行政書士の特徴]
 行政書士の強みはなんですか?

 それは専門性よりも【その広い業務範囲】ではないですか?
 その強みがあるから、開業者の努力と工夫次第で無限の可能性があるんです。

 しかし、弱みも同じです。
 広くて、他の士業より専門性が低いため、開業者の努力と工夫がなければやっていけません。


[司法書士の特徴]
 行政書士と司法書士のダブルライセンスで意識しているのは何ですか?

 司法書士は登記等を行えるので、恐らく不動産等を一人で登記まで全部一通りの業務を行うためではないですか?

 だったら司法書士一本でやれば良いです。
 行政書士は不要です。

 そのため、登記まで意識したダブルライセンスの場合、広い業務範囲と言う行政書士のメリットを【登記のある業務】に限定してしまい、行政書士のメリットを殺してしまうんです。



<行政書士と司法書士の業務両方をこなす場合>
 中には「登記は司法書士、それ以外の広い部分を行政書士でやり、両立させるんだ」と考える人もいるかもしれません。

 しかし、一つお聞きします。
「本当にそれを貴方一人で出来ますか?」と。

 司法書士一本だけでも開業している人もいるわけですから、一つでも大変です。
 そこに、営業がとても大変な行政書士も加わるんですよ。

 つまり、貴方一人で2つの事務所を同時に運営するってことです。

 成功している士業者でも一人一つの事務所で精一杯な状態なのに、本当に貴方一人でそれが出来ますか?


<維持費>
 士業資格は業務を行うためには年会費等の維持費が結構掛かります。
 他の資格みたいに「持っているだけで損はしないでしょう」って資格ではありません。

 そのため、活用できないで登録だけしている士業資格は金銭的にもマイナスになるんです。

 業務を行うためには登録が必要です。
 登録をしなければ業務を行えません。

 そのため、「じゃあ登録しなければ維持費は掛からないじゃん!」と考えてしまうと、もう本末転倒ですよね。

 それでは、何のためのダブルライセンスだったのか見失っています。
 これらのような理由から安易な司法書士とのダブルライセンスはオススメしません。

 ただし、私がオススメしないのはあくまでも【安易な場合】です。
 シッカリと目的意識があり、行政書士のメリットの一つ<工夫>が出来るならその限りではありません。

 

3 個人的オススメのダブルライセンス

 ではどのような資格が行政書士と相性が良いのか?
 それは士業資格以外の資格です。

 以上です。
 一応私が、私の経歴等から考えるダブルライセンス活用例を挙げておきます。

<認定心理士>
 日本初のカウンセリング系国家資格です。

 臨床心理士がとても有名なので、臨床心理士を国家資格だと勘違いしている人がとても多いのですが、臨床心理士は民間資格です。

 カウンセリングの基本は傾聴です。
 クライアントは何を求めているのか、言葉に出せていない心の裏まで汲み取ることです。

 この傾聴能力は法律素人から相談を受ける場合には絶対に活きるスキルです。
 行政書士は、法的にどの部分を話せば良いのかも全く知らない人から悩みを引き出すわけですからね。

 まだブログで話をしていないのでわからない人には申し訳ないのですが、土地収用においてクライアントから相談を受けるとします。
 クライアントは相談するためにどのような情報を言えば良いのかわからないので、見当違いなことを沢山言い出すかもしれません。

 そこで、行政書士は【補償額に不服があるのか?】【収用裁決に不服があるのか?】を汲み取り、引き出さなければ間違った解決策を提示してしまいます。

 間違った解決策を提示してしまっては信頼なんて得られませんので、まずやっていけません。


<防犯診断士・防災士>
 これは財産や身を守る知識なので行政書士に限りませんが、財産や不動産、家屋等について扱うことが多くあります。

 その際のプラスαとして、付加価値を付けることができます。

防犯診断士と言う資格を活かして
【9割の人が知らない!ストーカー殺人を防ぐ2つの方法】
このようなこともアドバイスできます。

 そして、この対策の流れの中にも行政書士として参入できる業務が多くあります。
 これからの時代、需要は多くなってくると思います。


<士業以外の事務系資格>
 その業界でも必ず行政への届出は何かしら必要です。
 そして、それを行うのは事務方です。

 その業界でどのような届出・需要があるのかを知るために、事務系資格があるなら取得しておくと役に立ちます。


<その他>
 資格ではありませんが、公務員経験があると格段に有利になります。
 何故か?
 それは【行政書士試験の勉強だけでは具体的な届出や制度を何も学べないから】です。

 例えば、試験勉強では
【配偶者と死別した場合、届出によって姻族関係を終了することが出来る。】
と学びます。

 これだけで、具体的に姻族関係を終了する業務を行えますか?
 行えませんよね?


 犯罪被害者への給付金があることを知っていますか?
 これは試験範囲ではないので、試験勉強をしていても知り得ません。

 私が言いたいのは、試験勉強だけでは知り得ない、このような部分を実際の業務として扱ったり、知識を取得するのに役立つと言う意味で、公務員経験があると有利だと言いました。

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